善光寺法話

第6回 お数珠頂戴

お数珠頂戴

▲お数珠頂戴

善光寺の本堂では一年を通して数多くの法要が営まれます。「お朝事」といわれる「御朝事法要」はお寺の朝の勤行に当たりますので毎朝行われます。また、11時と正午に行われる「日中法要」は年間4ヶ月行われます。この他に、お正月の「朝拝式」、春・秋の「彼岸法要」などは申すまでもなく、一般の方々のための特別大法要など、様々な法要が年間を通して営まれています。

これらの法要には、善光寺住職である大勧進のお貫主さまと大本願のお上人さま、または副住職さまがお導師として本堂においでになります。その本堂への往復の道中、参拝の方々が参道にしゃがんでおりますと、お貫主さまでもお上人さまでも、必ず手にされた数珠で皆様の頭にお触れになり、ご自分の功徳をお分け下さいます。この所作を善光寺では「お数珠頂戴」と申します。

時には、お数珠を頂戴しようとして、参道に何十人、何百人と並んでおられることもあります。お貫主さまもお上人さまも、「身業説法」の一つとして、喜んで勤めていらっしゃいます。「身業説法」とは、言葉ではなく行動で仏の道をお説きになることをいいます。信仰のある方は、お二人の功徳をありがたくいただくことで更に信仰を深めます。信仰のない方も、お数珠を頂くと何とはなしにありがたい心持ちになるとおっしゃいますから、信仰へのご縁を一緒にいただくことになるのです。すなわち、「お数珠頂戴」の所作は無言の説法ともいえます。

僧侶が数珠を信徒の方の頭に授けることで自らの功徳を振り向けるということは、比叡山の回峰行者が行っていますから、いにしえより行われていたことなのでしょう。善光寺でいつ頃から行われるようになったのかは未詳ですが、徳高いお導師の慈悲の心と信者の深い信心とが、善光寺如来様への信仰の下、自然に一体となって形になったものが善光寺の「お数珠頂戴」であるのでしょう。

ご住職のお数珠は毎朝頂くことができます。当HP【参拝のご案内】「お朝事・お数珠頂戴の時間」をご参照の上、是非ご参拝下さい。