善光寺法話

第3回 不滅の常燈明

不滅の常燈明

▲不滅の常燈明

2月10日から18日まで「長野灯明まつり」が今年も開催されます。灯明まつり実行委員会の方々のご尽力で、善光寺を五色の光で荘厳していただき、皆様にもいつもと違った色鮮やかな善光寺さんをご覧いただけると思います。

さて、善光寺には「不滅の常燈明」と呼ばれる灯があります。本堂に入りまして内々陣を見ると金の柱が二本あります。その間にはお戸帳と呼ばれる龍の幕が掛かっています。このお幕の奥が御本尊様を安置している瑠璃壇になります。そのお幕の前に立派な六角燈籠が三基並んで置かれています。昼夜分かたず御本尊様の前を照らし続けているこの三基の燈明を、善光寺では「不滅の常燈明」と申します。または「善光寺常燈明」とも「御三燈」とも申します。

善光寺においては、この燈明は単なる明かりではありません。『善光寺縁起』などには、この燈明が善光寺如来様の下さったものであるということが書かれています。

善光寺如来様を今の長野の地に御遷座してからのことです。善光はいつも香を焚き、花を添え、燈明を灯してお仕えしていました。ところがある時、燈明の油がなくなり灯が消えてしまいました。その時、善光寺如来様は善光のために自らのお体から光を放ち、善光の部屋をお照らしになり、その部屋は四面の壁があたかも金でできたように光輝きました。さらに如来様は、眉間の白毫より光を放って、香を焚き、燈明の明かりをつけてくださいました。

また、その時如来様は、「一度常燈を見れば 永く三悪道を離る 何に況や香と油とを持(たも)つをや 決定して極楽に生ぜん」という四句のお言葉を善光に伝えました。一度でもこの常燈明をみれば、死後に地獄道・餓鬼道・畜生道の三つの悪い世界に生まれ変わることはない。ましてや如来様のために焼香し燈明の油を捧げるものはなおさらである。皆、極楽に往生させよう、という如来様の御誓願です。

この燈明が今日まで本堂に輝き続ける「不滅の常燈明」です。明かりを灯して下さったのは、単に善光のことを哀れんだからではありません。参詣するすべての人々を極楽浄土へ導くために、常燈明を善光にお与えになったのです。

善光寺本堂内でお焼香する火は、すべてこの御三燈からの火を使っています。燈明は光で仏様をお飾りし、焼香はその香を仏様に捧げるものです。本堂内で焼香する時、私たちの心は如来様の大慈悲に包まれているのでしょう。「善光寺如来様からの頂きものなのだ」、という思いをもって焼香し、また、御三燈の明かりをご覧頂く時、私たちと如来様のご縁は更に一層深くなるのではないでしょうか。