善光寺法話

第22回 施餓鬼会(せがきえ)

新年度が始まり早2カ月が過ぎました。地球の温暖化の影響でしょうか、インドでは気温が50度を超える日々がありまさに異常気象といえるでしょう。ここ長野においても5月にもかかわらず30度を超す日が数日ありました。気温の変化に体調を整え日々を過ごしてまいりたいと願っております。

さて、今回は施餓鬼会について通称「おせがき」といわれます、全国的にも有名なご法要のお話をさせていただきます。この「おせがき」は特に定められました時期はございませんが、多くの場所ではお盆にあわせて開催されております。上記の場合は盆施餓鬼と呼ばれ、文字通り、餓鬼に施すためのご法要であります。

餓鬼とは、物惜しみや嫉妬などによります行いの報いで、飲むことや食べることが出来ない、飢えに苦しんだ世界に落ちた衆生のことであります。「おせがき」の由来のお経に、餓鬼たちを救う話が収められております。

施餓鬼

お釈迦様のお弟子の阿難が、焔口(えんく)という名前の餓鬼から、「お前の命はあと三日だ、それを免れるにはすべての餓鬼に食べ物と飲み物を施しなさい」と告げられました。困り果てた阿難にお釈迦様は、少量のお供えでも無限にかわる陀羅尼を授けました。その陀羅尼によって餓鬼に供養したことで、餓鬼たちは苦しみから免れ、阿難は自らの命を永らえたと説かれております。

尚、法要においては施餓鬼壇の前で陀羅尼をお唱えし、ミシハギやシキミを用い壇に供えた佛飯や野菜そして果物などに水をまくご法要を行います。この供養によって餓鬼の飢えや苦しみが消除されるというわけであります。また、この功徳を先祖や今は亡き方々へと振り向けることも、重要なことです。

善光寺本堂に於きましては、毎年7月15日と8月15日に「おせがき」のご法要が執行されております。また、前日の14日には「墓せがき」が執行されます。どうぞお参りになられまして功徳を積んで頂ければ幸いに存じます。