善光寺法話

第12回 守護矢

秋の行楽シーズンが終り、12月に入ってからは善光寺の境内も静けさと落ち着きを取戻しております。今は静かな境内も大晦日や元旦には老若男女を問わず多くの参拝者で賑わうことでしょう。初詣では、和装で守護矢、熊手、ダルマなどを手にした方々を見ることができます。これらの縁起物は山門の北側にある授与品所においてお分けしているもので、矢には家内安全、熊手には商売繁昌などの願いがこめられています。また縁起物は、仏壇や神棚に、それらがご家庭にない場合は、日常生活で目線よりも上になるような失礼にあたらない場所におまつりすることとなっております。

参拝者は初詣にお参りに来るときに去年の縁起物を持ってきて善光寺におかえしし、また帰りがけに新しい縁起物を求めていかれます。返納された縁起物は毎年1月15日に六地蔵西の広場で行なわれるお焚きあげで、住職たちの読経のもと燃やされ供養されることになります。またこのお焚きあげは、どんど焼きとも呼ばれ地元の子供たちから親しまれています。

ところでこの守護矢ですが神社などでは破魔矢と呼ばれています。これを善光寺では守護矢と呼んでいます。善光寺には仁王門と山門という2つの門がありますが、参道の最初のほうにあるのが仁王門です。仁王門の正面には高村光雲の手による雄雄しい仁王像がまつられています。そしてあまり目立たないのですが、その北側には三宝荒神という仏様がまつられています。この三宝荒神は仏法僧(仏、仏の教え、仏の教えを伝える僧侶)や寺院の伽藍を守護する仏様で、その手には矢が握られています。その三宝荒神が手にしている矢にあやかり、伽藍を護持するように災厄から家の中を護るという意味で、正月にお分けする矢を守護矢と呼んでいるのです。

善光寺参拝のさいにはぜひ仁王門裏の三宝荒神をお参りいただき、家内の安全、あるいは商売繁昌などをご祈念ください。