善光寺法話

このコーナーでは、法話や善光寺にまつわる説話などを紹介してまいります。

【最新】第29回 焼香(香)

お寺さんへ行くと大きな仏像や仏具をたくさん目にします。また多くの場所に香炉や線香、焼香台などを目にします。

善光寺にも六地蔵前の香炉や本堂の前の大香炉、本堂内の本尊前や開山前など多くの場所に焼香台や香炉があります。

このお香の匂いを嗅ぐとお寺にいることをより実感しませんか?

仏教の法儀でもお香は多く使われます。仏様やご先祖様を礼拝し、ご供養するとき六種のお供えをしますが、その一つに焼香があります。

六種供養ともいい、水・花・焼香・飲食・燈明・塗香の六つをさします。これは仏教の六波羅蜜(ろくはらみつ)とも関係していると言われていて、この六波羅蜜とは、布施・忍辱・精進・禅定・智慧・持戒の六種の修行のことをさします。

この中でも香(持戒)・華(忍辱)・灯明(智慧)が基本といわれ、線香を焚くのは仏様に身も心も清浄にし、花は仏様に花のような清浄な心で、灯明は仏様の智慧をあらわし、けがれのない心をささげるなどの意味があり、お経の中にも焼香について述べられていて、

法華懺法には「願わくはこの香華の雲、十方界に遍満し、一切の仏と経法、菩薩、声聞、縁覚、一切の天仙を供養したてまつる。この香華の雲を受けて、光明の台となし、無辺界において、受け入れ仏事を作りたまえ」とあります。これは、香を薫じて、香りにより自分だけではなくすべての世界を清め、その想いを心に供養することとあります。

焼香自体に功徳があるのというより、焼香という行為によって想うことが功徳なのです。ご先祖様や故人の冥福想う心、他者の幸せを想う心、自分自身に向き合う心に功徳が生まれます。

焼香(香)は、自らの心身の穢れを落とし、清らかな心で祈りを捧げる為の下準備です。お寺さんでお参りするとき、仏壇で手を合わせるとき、香の薫りとともに優しい気持ちになりませんか?お香はそんな気持ちの手助けをする一つです。

そんな優しい気持ちを仏様やご先祖様だけでなく家族や愛する人、多くの方々に想いを伝えてみてはいかがでしょうか。

合掌
(甚妙院)