善光寺法話

このコーナーでは、法話や善光寺にまつわる説話などを紹介してまいります。

【最新】第41回 金剛力士像の見どころ

今年令和元年は、現在の仁王門が再建されて101年、金剛力士像(仁王像)が開眼されて100年という節目を迎え注目が集まっております。
今回は金剛力士像の見どころをご紹介したいと思います。
[善光寺法話第36回]でも仁王門について法話がされておりますのでそちらもご一読いただけたらと思います。

金剛力士像を見た方々の印象に「力強さ」があります。その印象は様々な工夫が随所に施されている事によります。足から胸、腕、顔に至るまで筋骨隆々とした姿。なんと血管が浮きでている表現まで施されています。製作された当時、巨大な仏像には使われる事のない緻密で正確な西洋の彫刻技術を取り入れたとされています。更に、顔を小さく、手を大きく表現する事で力強さを強調しているのです。

また、通常の巨大仏像には見られない特徴もあります。大きな仏像を安置する場合、仏像の足に倒れない様に“ホゾ”と呼ばれる軸を組み込みます。仏像を支えて固定しているのですが、善光寺の金剛力士像には“ホゾ”が組み込まれていません。像自身のバランスと両足で自立しております。固定されているのは背中と仁王門とを繋ぐ金具だけです。足元、特に台座と像が接している部分をご覧いただくと、像が少し移動した跡が残っている事がわかります。この跡は“神城断層地震”の時のもので移動はしたものの倒れずに自立しておられます。

像に色彩が施されていない事も大きな特徴です。製作者である高村光雲は文化財の保存や修復にも長けており、将来の事を考えて色彩を施さなかったと言われています。金剛力士像の裏に安置されている荒神像と大黒天像には色彩が施されていますが、見比べて頂くと色彩の有無の差がわかると思います。製作者、高村光雲の想いと技術が込められた金剛力士像です。

ごく一部ではありますが金剛力士像の見方、楽しみ方を知って頂けると嬉しく思います。是非、善光寺へお越しの際には仁王門にも足をお運び頂き、日頃の感謝と仏の加護をお祈りください。その中で力強さと緻密な描写を感じていただければ幸いです。

合掌